2014年発売のHDMI入力端子付き楽ナビ「AVIC-RW09」
HDMI入力端子を搭載した2014年11月発売の楽ナビ「AVIC-RW09」をヤフオクで購入しました。
地図を更新して最新化したうえ、スマホとBluetoothで接続し、スマートループの設定も行ったため、古いカーナビながら最新に近い形で活用できるのが狙いです。
なお、パイオニアのカロッツェリアナビ(楽ナビ、サイバーナビ)は、「地図割プラス」を利用することで、年会費5,500円(税込)で最新の地図に更新可能です。


そして、「AVIC-RW09」を選んだ理由は、HDMI入力端子が採用された機種だからです。

調べたところ、2014年頃の楽ナビからHDMI入力端子が採用され始めたようです。HDMI入力端子を備えた古い楽ナビという理由で「AVIC-RW09」を入手しました。なお、同時期に発売された「AVIC-RL09」や「AVIC-RZ09」もHDMI入力端子を搭載しています。
AVメディアの接続例として、ビデオカメラからHDMIケーブルを使って接続するケースが挙げられていますが、実際にカーナビにビデオカメラを接続した方がどれほどいるのか気になります。

HDMI入力端子の仕様
購入前にHDMI入力端子の仕様を調べました。
マニュアルによると

AVソースの説明欄にHDMIの説明が記載されていますが、詳細な仕様までは説明されていません。
取付説明書を調べてみます。

カーナビ本体のHDMI入力端子は、通常サイズのHDMIでしたが、仕様についての明記がありませんでした。 ビデオカメラやスマートフォンなどの映像入力を想定したHDMI入力端子だと予測し、その期待を込めてカーナビを購入しました。
HDMI延長ケーブルを自作して接続
純正のHDMIケーブルは、「CD-HUV220」です。
調べてみるとスマホ接続用に4本のケーブルがセットになったもので、定価は3,300円(税込)です。

実際には必要なのはHDMIケーブルだけでした。 そこで、AmazonでHDMI延長ケーブル(オス・メス)を購入しましたが、ナビの裏にあるHDMI端子に差し込む際に問題が発生しました。端子が奥まった位置に設置されており、ケーブル端子のカバーが邪魔で差し込むことができなかったのです。

仕方なく、樹脂製のケーブル端子をニッパーで切り込み、スリム化するために剥がしました。そして、むき出しになった端子部分にはビニールテープでカバーを施しました。 スリムになったケーブルは無事に差し込むことができましたが、やはりこのような場面では多少高価でも純正のケーブルを使用する方が安心だと感じました。
Fire TV Stickを接続したが何も映らない
ナビ裏から延長したHDMIケーブルにFire TV Stickを接続し、AVソース画面でHDMIを選択しました。 しかし、何も映らず黒い画面のままです。 HDMI入力機能も有効にしていますが、映像は表示されません。


ケーブルを抜き差ししてみても状況は変わりませんでした。 試しに「Chromecast with Google TV」を接続してみましたが、結果は全く同じで、画面は真っ黒のままです。 ここで行き詰まってしまいました。
ここで行き詰まってしまいました。
パイオニア社に問い合わせ
HDMI入力映像が映らない原因として機器の不具合も考えられますが、可能性を排除しきれないため、同様の事象が他にも発生していないか、パイオニア社に問い合わせることにしました。
問い合わせ内容
AVIC-RW09のHDMI入力端子にAmazon Fire TV StickおよびGoogle Chromecast with Google TVを接続しましたが、いずれの機器でも信号を認識できず、映像・音声ともに出力されませんでした。
なお、AVIC-RW09側のHDMI入力機能は有効(ON)に設定しております。
他のユーザー様において、同様の事象が発生している事例はございますでしょうか。
また、HDMI入力に対応する機器の仕様や制限事項がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
パイオニア カスタマーセンターからの回答から引用
弊社「AVIC-RW09」をご愛用賜りまして誠にありがとうございます。
また、HDMIソースのご使用に際しご不便をおかけしております。
HDMIはじめ、外部機器接続のソースにつきましては
特にご案内できます機器別の動作確認情報はあいにくございません。
また「AVIC-RW09」のHDMI入力はSD(スタンダードデフィニション)
480i/480pとなりますので、高画質な出力につきましては
表示できないものと存じます。
また、Amazon Fire TV Stickにつきましては車内での利用に関して、
開発元と協議した結果、家庭での使用時と同じ動作や性能を保証できないと
判断いたしました。
車室内での使用は非推奨とさせていただいております。
折角お問い合わせいただきましたが、ご期待に沿えるご回答ができず
誠に申し訳ございません。
Amazon Fire TV StickおよびGoogle Chromecast with Google TVの映像が表示されなかった原因は、AVIC-RW09のHDMI入力が対応している解像度がSD(スタンダードデフィニション)の480iおよび480pに限定されているためでした。
一方、Amazon Fire TV StickおよびGoogle Chromecast with Google TVの映像出力は、最低でもHD(720p)以上であり、480p以下の低解像度出力には対応していません。
このため、AVIC-RW09が要求する解像度と出力側の対応解像度に互換性がなく、映像・音声が表示されない状態となったものと考えられます。
Fire TV Stickを接続する目的でAVIC-RW09を選んだのは、結果的に選定ミスとなってしまいました。
HD(720p)→SD(480p)ダウンスケールコンバーター探し
映像が映らない原因は判明しましたが、どうしても諦めきれません。 RCAのアナログ信号をHDMIにアップスケールするコンバーターは市場に多く出回っていますが、その逆であるダウンスケールコンバーターも存在するはずです。
Amazonや楽天、ヤフーショッピングなどを調べましたが、該当の商品は見つかりませんでした。 さらに海外の通販サイトを検索してみましたが、やはり見つからず、夜な夜な探し続けた結果、HDMIからRCAアナログに変換してナビに入力する方法しかないかと半ば諦めかけていました。 しかし、アナログ接続にすると画質が大幅に劣化するため、HDMI入力端子を搭載したナビを選んだ意味が薄れてしまいます。
あきらめかけていた頃、ついにビートソニック製のHD(720p)からSD(480p)へダウンスケール可能な製品を発見しました。
その製品は、「インターフェースアダプター IF33A」です。

IF33Aは、映像をミラーリングするHDMI分配器です。1つの映像信号を2つに分配する機能を持っています。 これだけでは特筆すべき点は少ないように思えますが、実は切り替えスイッチを使って解像度を480pと720pの間で変更できるというユニークな特徴があります。


これが求めていた機能です!
これまでいろいろなサイトを探しましたが、480pにダウンスケールできる製品は、ビートソニックのインターフェースアダプター IF33Aだけです。さすがビートソニック!
価格は想定より高めですが、マニアックな製品であるため致し方ないと言えるでしょう。 ビートソニック製品は、価格の安い海外製品に比べて信頼性があります。特に、高温多湿の日本の環境では、海外製品は故障しやすい印象を受けます。

IF33Aの取付
ヤフオクに程度がよさそうなIF33Aが出品されていたので、落札しました。
早速、届いたIF33Aを取り付けます。



ちょっと雑ですが取付ました。

接続結果
取付と接続が完了したので、エンジンを始動して確認します。
期待通り、ばっちり映りました!

HDMI入力なのでSD(480p)でもきれいです。RCAアナログ入力に比べたら雲泥の差です。
AVIC-RW09の画面サイズは7V型ワイドで、コンパクトなサイズ感です。 解像度は800×480であり、このスペックが表示の限界となっています。

一度はあきらめかけましたが、「AVIC-RW09」でAmazon Fire TV StickをHDMI接続することに成功しました。また、「AVIC-RL09」や「AVIC-RZ09」などのモデルでも、ビートソニックの「インターフェースアダプター IF33A」を使用することでAmazon Fire TV Stickを利用できる可能性があります。
楽ナビでAmazon Fire TV Stickの映像が出力されず困っている方々の参考になればと思い、この記事を執筆しました。
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